経産省がけしからんCMを流している。きれいな青空に綿雲が浮かび、真ん中の丸い輪の中に「みんなで知ろう。考えよう。ALPS処理水のこと」とある、あのCMのことだ。これを見るたびに、「ウソつくな」とTVにむかって怒っている▼「風評をおこさないために」「国際的に受け入れられている考えのもと安全基準を十分に満たした上で海洋放出する考えです」▼海洋放出を危惧する声をこれでごまかそうという魂胆なのか。多額の税金を使ってウソをつかないでもらいたい▼処理水の中には、トリチウムだけではなく基準を超えるストロンチウム90、ヨウ素129などの放射性核種が含まれていると指摘されている▼海洋放出されれば、たとえ薄めたとしても総量は同じだ。減るわけではない。海洋生物の体内にとりこまれ濃縮されて、いずれ人間に還元される▼経産省は長い目で見て物事を考えるべきだ。そうすれば老朽原発を壊れるまで使い倒そうなどとは思わないはずである。 (ち)