岸田政権は、昨年12月21日、新型コロナウイルス対策で厚労省所管の独立行政法人に積み上がった剰余金約1500億円のうち、746億円を「国庫に返納し防衛費の財源に充てる」と決めた。「復興特別所得税」の軍事費転用に次ぐ暴挙だ。
コロナ禍から3年。私は介護現場で働く一人として同僚たちと苦闘してきたが、医療、介護の現場は人も金もモノもまったく足りないままだ。コロナ対策の剰余金が1500億円近くも積み残されていたことには驚きと怒りを禁じ得ない。例えばそれが、看護師の育成に使われていたら、あるいは医療労働者と介護労働者をささえるために使われていたら、どれだけ多くの命が救われただろうか(昨年12月28日現在、コロナ関連死者は5万6703人とされる)。多くの人が職を失い、経済的困窮に喘いでいる。それは子どもたちにものしかかり、「学校給食だけが頼り」という子どもが急増している。
岸田政権はそうした現実を一顧だにせず、軍事費倍増、日米安保政策の大転換に突き進んでいる。明日食べるものさえ事欠く人たちが急増する中で、「国民を守るために防衛費を倍増」とは倒錯もはなはだしい。

ロシア化する日本

第2次安倍政権登場以降、日本は急速に「プーチンのロシア」化しているのではないかという危機感を強くしている。
岸田政権は「敵基地攻撃能力」というミサイル先制攻撃を公然と打ち出し、大軍拡を始めている。国会は政権の追認機関と化し、これに野党もなすすべがない状態だ。世論調査では内閣支持率が低下しているが、岸田の暴走は続いている。そうした中、多くの住民は貧困にあえぎ、命の危険にすらさらされている。こんな日本を「民主国家」と言えるのだろうか。

地域から転換を

具体的な行動が必要だ。各地で「軍事費倍増・軍拡に反対」の行動が始まっている。その勢いは昨年の「国葬反対」デモを思わせる。「大軍拡と増税」「憲法9条と生存権」という根本的テーマをめぐる大運動が求められる。岸田首相は軍拡のための大増税の「信を問う」として、解散総選挙に言及し始めた。今春の統一地方選挙の重要性が高まっている。「軍拡反対」「生存権を守れ」という声を身近な政治に反映させ、地域から政治の転換を生みだそう。
(小柳太郎/介護ヘルパー)