「オーガニック給食を広めよう」という勉強会が開かれた(1月28日、神戸市内)。DVD『希望の給食』を観て、正橋裕美子さん(コープ自然派理事長)の話を聞く。
コープ自然派はロングライフ牛乳に反対、水俣病、原発反対、農薬・遺伝子組み換え・ゲノム編集・添加物、環境問題にとり組み、現在は近畿5府県、四国4県、組合員18万人。店舗を持たない宅配のみの生協だ。

学校給食に新たな動き

学校給食は戦後の食糧難の時代から始められ、義務教育の一環として定着してきた。一方、80年代ころから、新自由主義の波が始まり、コスト削減を理由に給食、調理の民間委託などが始まる。しかしこの15年ほど、それを逆転させる動きが世界に広がり、生産、消費、雇用を公共として守ろうという運動が始まっている。
日本では、学校給食、有機農業、地産地消などの運動がつながっていない。それをつなげながら、食は子どもの人権、社会の責任であり、私たちがどのような未来を望むのか考える。学校給食をオーガニックにするには、農業生産者と関係をつくり、行政を動かさなければならないなど難しい問題もあるが、希望はある。子どもたちが地域の有機米の田植えや稲刈りに参加したりというつながりもある。
『希望の給食』は、先進的なとり組みを紹介する。
千葉県いすみ市。2018年から小中学校給食のコメをすべて市内で有機栽培に。コメの代金差額は市が負担し解決させた。食と農を地域でつなぐ結節点にも。子どもたちが体験によって農業や環境への理解を深めている。食と農の教育への新たな結びつきが生まれている。給食の食材から地域の食と農の循環を考えることになるなど。
韓国ファソン市。「市民参加による地域の食の基本権を保障することに。給食問題をきっかけにした市民運動を背景にフードガバナンスの理念と実践が定着しつつある」「食にとり組むことは身近で貴重な民主主義の実践ですよ」(イ・ビンパさん)という言葉が印象に残った。        (浩)