2月初め、沖縄の基地と行政を考える大学人の会による「ウクライナ問題から台湾問題を考える」講演があった。講師は孫崎うける享さん。
ロシアによるウクライナ侵略から、「台湾有事」と煽り立てられ、南西諸島に自衛隊の動きが活発になっている。市民の対応の一つである。最近、「台湾有事」に係わる勉強会などが盛んに行われる。団体もいくつか結成され、「大学人の会」の他、「台湾有事」を起こさせない・沖縄対話プロジェクト(昨年10月)、「ノーモア沖縄戦」命どぅ宝の会(昨年1月)などができた。一つの団体にまとまろうという動きもある。

国会請願署名
     5月に延長

辺野古新基地反対で結成されたオール沖縄はどうするのか。継続して現地闘争を行いながら、コロナ以前の盛り上がりをめざし、「国会請願署名運動」を展開している。なかなか望むようにはなっていない。読谷の場合、村議の出席も期待して2度のキックオフ集会をやったが、集まりは芳しくなかった。他も同じだったのか、3月半ばだった署名の締め切りは、5月に延長となった。
「ウクライナ有事」から「台湾有事」が煽られ、抑止力幻想に陥り、軍事基地も必要と思っているのだろうか。辺野古が敵基地反撃の基地にならないよう、建設に反対していかなければ。

戦争に至らせない方法

孫埼さんは「外交で戦争に至らない方法があった」と言う。曰く、「ウクライナをNATOに入れない」「ドネツク、ハリキウ両州住民選挙による帰属を問う」など、「今もそれが出発だ」と。しかし、停戦はウクライナ・ロシア双方の納得に係ることであり、すんなりと合意できるであろうか。
停戦は望ましいが、始まった戦争を終結させるのは難しい。それが歴史の教えである。だから「戦争はするな」が教訓になる。「台湾有事」を煽るのではなく、「政府は戦争に至らない外交努力を」と求めなければ。孫崎さんは「沖縄が軸となり、どうしたら平和をつくれるか発信する」「沖縄から本土に知らせる力になってほしい」と訴えた。
外交努力を怠る政府に対し、沖縄県が先に手をつけるのも一つの方法。幸い沖縄県は中国福建省と姉妹都市である。「沖縄を再び戦場にしない」と、大きくまとまった団体が福建と対話する。沖縄県を動かし対話する。そこからでも、進めてみたいものだ。

シャボン玉を飛ばそ

孫崎さんの後、ウクライナの民族楽器バントゥーラの演奏だった。「吟遊詩人が奏でていた」のだそうだ。琵琶と似ている。チェリノブイリで生まれたカテリーナ・グジーさんは「シャボン玉」を演奏し、日本語で歌った。
♪シャボン玉 消えた 飛ばずに消えた うまれて すぐに こわれて消えた 風かぜ 吹くな シャボン玉 飛ばそ♪
カテリーナさんは、歌にコメントしなかったが、訴えていることはよくわかった。アンコールで「ふるさと故郷」を歌った。       (富樫 守)