報告集会で発言する牟田和恵さん=2月2日、大阪市内

2月2日、大阪高裁でフェミ科研費裁判の控訴審第2回が開かれました。今回で結審となり、判決は5月30日と決まりました。杉田水脈の代理人は、開廷前の報道による写真撮影のときは姿を見せず、裁判が閉廷すると瞬く間に姿を消しました。よほど顔を見られたくないんだなと思いました。
傍聴席は満席でしたが、裁判はわずか4分で終了しました。
大阪市中央公会堂で開かれた報告集会は、原告、弁護人、支援者で満員でした。原告のひとり牟田和恵さん(大阪大学名誉教授)は「この裁判は私たち原告団個別の問題ではありません。学問への政治介入、性への抑圧とたたかう裁判です。これまでのみなさんの支援に感謝します。5月30日までともにたたかいましょう」と述べました。
会場から、「娘が性暴力被害を受け、フラワーデモに最初から参加している。杉田水脈の発言は、性暴力とたたかう人びとやジェンダー平等を求めて立ち上がったすべての人びとに対する攻撃であり、野放しにできない。この裁判をもっと多くの人に伝えたい」という発言など、この裁判を自分の問題として関わっている女性たちの発言が続きました。支援の会事務局は、「判決まで4カ月近くある。この期間を生かして判決日には3倍の傍聴を」と呼びかけました。
帰り道、「杉田水脈には『あんたはおかしいよ』と言ってくれる人が回りにおらんねんな」と話しているのが聞こえました。普通の感覚でも、杉田の数々の発言はとうてい許されないものですが、政府・自民党は、杉田を持ち上げ、国会議員にして、総務大臣政務官にまでしました。昨年末に更迭されましたが、それだけでは済まされません。この裁判に勝利して国会議員を辞めさせなければならないと思います。
家族にこの日の裁判の話をすると、「あの杉田スイミャクのことね」とちゃんと話が通じました。名前の読み方は知らなくても、杉田の言動には誰もがおかしいと感じ、注目しているのです。そのことを裁判長に教えたい。今回改めて研究者の怒りと悔しさを学びました。まともな判決が出るよう、この裁判を支援していこうと思います。(草間智子)

【国会議員の科研費介入とフェミニズムバッシングを許さない裁判】日本学術振興会科学研究費助成事業による、日本軍「慰安婦」問題や、女性差別をテーマにした研究を、杉田水脈氏がネットやSNSで繰り返し誹謗中傷したことに対し、共同研究者4人が名誉を毀損されたとして損害賠償を求めた裁判です。一審京都地裁は原告敗訴。