
新聞「うずみ火」代表・矢野宏さんが、「今を『戦前』にしないために」と題した講演をおこなった。(2月4日、滋賀県教育会館。主催「戦争をさせない1000人委員会しが」 第19回連続市民講座、写真上)
矢野さんはまず、新聞「うずみ火」について説明した。黒田清さんの「黒田ジャーナル」を引き継いで05年に発刊。現場主義を貫くことと読者の声を大事にすることをモットーにしている。毎年6月23日の慰霊の日には、沖縄で取材している。
「安全保障3文書」の核心は、安倍政権の失政の尻拭いと米軍との一体化の2点だ。安倍晋三元首相は米国で不要になった兵器を購入することを米国との間で約束した。そのためにトマホーク500発やイージスアショアなどを買わされている。
敵基地攻撃能力は国際法違反の先制攻撃であり、抑止力にはならない。相手国との攻撃の応酬になるだけだ。自衛隊の南西シフトは、日本を最前線にするということであり、日本が攻撃の対象にされるだけである。
沖縄戦に動員された人たちを取材した。チビチリガマでは140人のうち83人が(日本軍の指示で)集団自決した。その6割は18歳以下だった。シムクガマの1000人は全員が助かった。隊長はハワイ帰りの人だった。戦争をする国は、美しい大義名分を掲げるが、戦争には悪しかない。「平和が一番大切だ」という沖縄戦の教訓を守ってもらいたい。きびしい世の中だが、「勝つ方法はあきらめないこと」だ。