「給食から社会を変える」(その2)。学校給食をオーガニック、無農薬にというとりくみ。前回は先進地域や韓国の例に学び、今回は「なぜ有機、何が変わる」を聞いた(市民デモHYOGO学習会、2月25日)。
コープ自然派の正橋裕美子さんが話し、グループで議論した。「食べ物は素材、人と人のつながりをつくる。オーガニックは特別なものではない。今の農薬・化学肥料を多用する栽培は戦後にできた。それ以前は「有機、無農薬が当たり前」という。振り返ればそのとおり。
食べる人も作る人の健康を守る。殺虫剤、除草剤は浸透性もあり、虫がいなくなるというのは危険のあらわれだ。土、水、空気、微生物、生物多様性が本来の環境である。農薬と化学肥料は、もともと軍事、兵器から作られ、それらを作る企業が農業分野にも進出した。
コープ自然派では、親子で「森が海を育む」ことや「田んぼの生き物調査」などを実地に勉強し、生産者といっしょに田んぼ作り、田植え、草取り、稲刈りを行っている。稲は田起こし、苗作りから始まる。種籾の消毒が必須だが、農薬からお湯で消毒する方法に変えた。
子どもたちが、夏の草取りを手伝っている。戦後の農村で使っていた手押しの除草器具を押す子どもたちの写真。筆者が小学校のころ「農繁休暇という休み」もあり、農作業を手伝わされた。除草器具は転がすだけではダメ、前後に力を入れて引き押ししながら進む。子どもにとっては苦行だった。畑もそうだが、作物に比べ「雑草」の繁殖力はすごい。放っておくと、あっという間に草だらけ。きれいな写真を見ながら、そのあたりはどうなのか…。当時「農薬はありがたかった」のだが、その質問は控えた。
おやつに出されたお菓子。薄味、「添加物なし」が食べればすぐにわかる。添えられていた落花生は三里塚産だった。
有機・無農薬がいいに決まっている。「学校給食を有機・無農薬に」というとりくみが「社会を変える」一歩という意味を受けとめた。  
        (浩)