
ウクライナでの戦争の推移を毎日のように確認する日々が続いている。しかしあらゆる情報は、政治的意図が入り込み、同じ情景を全く別の表現で表すことがしばしばある▼マスコミは、ロシアが最初に国境を越えて侵略したのだから悪いのだという一点で、善悪を論じていることが多い。しかしそれでいいのか。1991年のソ連の崩壊後のウクライナの政治動向がどうなっていたのか。2014年のマイダンから始まったドンバスでの内戦についてはどう見るのか。論じられるべき点は多くある▼転じて東アジアを見てみると、中国脅威論、台湾危機をあおる論調がある。しかし日本で生活する人々にとってそこに現実性があるのか▼ウクライナの教訓のひとつは、アメリカやNATOからそそのかされて、軍備を大増強し、ロシア嫌悪をあおり、同じウクライナ人であるロシア語話者を銃撃していったら、結局ロシア軍が出てきてしまったということではないのか。沈思黙考せざるをえない。(勝)