
私の家の最寄り駅に毎日ビッグイッシューの販売員の方が立っている。新しい号がでるとほぼ買うことにしている。だいたい良い記事が載っているがvol.452の「非戦のリアル」は読みごたえがあった。ウクライナ戦争が始まってから、どちらの味方もできないと欝々としていたが、答えが見つかったようでうれしかった。
これは東京外国語大学大学院教授で、東ティモールやアフガニスタンなど各国で武装解除や停戦に貢献してきた伊勢崎賢治さんに「ロシアによるウクライナ侵攻の背景、国際人道法と戦争犯罪に当たる行為、戦争回避の参考になるノルウェーやアイスランドの事例、大国のはざまにある緩衝国家・日本の役割、戦争犯罪を裁く法をもたない日本の問題点」などをインタビューしてまとめたものだ。
記事は第一章「ウクライナ戦争はなぜ始まったのか? 大国がからむ〝インターナショナル内戦〟」、第二章「戦争は始まる前に回避すべき。始まってしまったら、一日も早い『停戦』を」、第三章「緩衝国家・日本が戦争回避に役立つために 二つの大きな課題と緩衝最前線の非武装化」の三章立て。
第三章で伊勢崎さんはこう提案しています。「自由と民主主義を信奉する緩衝国家としての自覚をもった上で、自衛隊を維持し、米国との軍事同盟を維持してもいいが、日米地位協定は改定し、主権を取り戻すべき。そして、日本のどこにでも基地を置ける〝全土基地方式〟を撤廃し、緩衝最前線である北海道と沖縄は、自衛隊の基地も米軍の基地も置かない〝完全非武装化〟を目指すのが理想だと思います」
読みごたえがある今号、4月1日発行なのでもう新しい号が出ているが、バックナンバーが残っているはず。販売員の方を見かけたら、声をかけてぜひ買い求めて、読んでほしい。 (民)