3月24日の朝日川柳に「ウクライナのついでにロシアになぜ行かぬ」とあったが卓見だ。素朴のようでいて鋭く日本政府に抗議している▼そのとおり岸田首相はプーチンに会って「戦争は一刻も早くやめ、軍を撤退させろ。日本はロシアのためにも全力で、和平に協力する」となぜ言えぬ。交戦国の一方だけに会い行って、支援を約束するのは参戦以外の何ものでもない▼岸田首相は武器援助にも言及。これは戦争を拡大し、侵略で傷ついているウクライナを世界戦争の戦場へたたき込むことになる。日本政府は欧米列強を「同志国」と呼び、世界の分断の先兵と化している▼しかし欧米もかつてのように世界支配をおこなう力はない。中国やインドの台頭がそれを許さない。だからこそ、かえって列強は凶暴化する▼中国を挑発して、もしも米中戦争が起これば戦場は日本列島だ。日米安保条約は日本を戦場にするためにある。半世紀前のスローガン「安保粉砕」が登場するときが来たのだ。     (弓)