4月6日の戦争あかん! ロックアクションでは、荒木淳子さんから「食と安全と危機」について、鈴木宣弘さん(東大教授・農業経済学)の講演の内容が紹介されました。話を聞いて「こんな食料事情で戦争の準備をしてる場合じゃないだろ」と強く思いました。(池内潤子)

世界で飢餓の危機

2022年6月、国連の世界食糧計画(WFP)と国連食糧農業機関(FAO)は、新型コロナやウクライナ戦争の影響で世界の20カ国以上で深刻な飢餓が生じると警告を発しました。また、米・ラトガース大学は、局地的な核戦争が起ると直接の被ばくによる死者は想定で2700万人。その影響で食料生産が減少し物流も停止。2年後の全世界の餓死者は2億5500万人。その3割(7200万人)を日本人が占めると報告しています。これには現実味が。
日本の食料自給率は37%。野菜の自給率80%ですが、その種も肥料も海外に依存しています。種の9割は輸入。玉子は自給率98%ですが、餌のトウモロコシは100%輸入。鶏のヒナも100%輸入。
肥料のリンとカリウムも100%輸入。リンの9割近くは中国からの輸入ですが、中国は自国の肥料確保のために輸出制限を始めました。カリウムの輸入先はロシアとベラルーシで、日本に輸出規制をかけています。
酪農も危機的です。政府の要請で増産体制を整備したのに、新型コロナの影響で消費が減り、牛乳が余っています。すると政府は一転して、生乳の「廃棄・減産」へ。しかしコロナ禍で生活が苦しくなった人はたくさんいます。政府は全量買い取って必要な人に分配するべき。このままでは酪農家はどんどん潰れて、牛乳が飲めなくなる日が来るかもしれません。酪農家の廃業も自殺者も増えています。
化学肥料の価格は倍にはね上るなかで、大半のコメ農家が来年は赤字になるという試算が出ています。にもかかわらず、種苗法を改悪して農家が自家採種できないようにして高い種を買わせています。こんなことでは本当に日本の農業は潰れます。みなさん、ぜひ関心を持ってください。