
▼入管法改悪に反対する集会とデモ 5月20日(土)大阪・扇町公園、14:00集合~15:00~デモ出発/主催:#入管法改悪反対大阪デモ実行委員会
https://twitter.com/osaka_demo0520/status/1657290118624067584?s=46&t=m_i1Ilzoi9N_UbrYNQc0jw
入管法改悪に反対する行動が国会前や各地で繰り広げられた(5月12日)。法案は2021年に当事者をはじめ、多くの人々が反対の声をあげ廃案となったものとほぼ同じ内容のまま、通常国会に上程され5月9日、衆院を通過させられた。
21年3月、名古屋入管で、スリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが亡くなるという事件が起きた。この悲痛な出来事は、日本における入管行政の非人道性を暴露することになった。「入管に殺された」と言っても過言でない痛ましい死だった。当時、入管法改悪案をこのまま通せば、入管にさらに強い権限を持たせてしまうという危機感が広まり、大きな反対の声を生み、廃案に追い込むことができた。
その後、ウィシュマ・サンダマリさんの家族が来日し、事件の真相究明などを求め裁判が闘われている。しかし、国側は収容所内のビデオ映像を一部しか開示しないなど、非協力的で、積極的に問題を解決し、再発防止をはかろうとする姿勢にはとても見えない。
今回審議中の改悪案のおもな問題点には、排外主義的な難民審査手続きを何ら改善しない一方、難民申請者を容易に強制送還できるようにすることがある。また、帰国すれば直ちに命の危険に直結するなど厳しい事情があり退去を拒否した場合に、そのことを罰する新たな刑罰を設けている。在留資格がないことが「犯罪者である」はずもない。収容手続きにも何らの改善はなく、入管庁の裁量でいくらでも収容可能とされる。無期限の長期収容もできる。
在留資格がない外国人には「生存権すら認めない」というような入管法改悪案が成立するなら、在留外国人にさらに多くの人権侵害、犠牲者を生むことは間違いない。外国人への差別をいっそう煽ることに繋がりかねない。
今回の入管法改悪を阻止し、廃案に追い込もうと継続した行動が各地で取り組まれてきた。5月12日、国会前には4000人を超える人々が集まり、声を上げた。大阪では5月9日、近畿弁護士会連合会主催のデモに300人が参加した。12日にはなんばや、梅田ヨドバシカメラ前で「入管法改悪に反対する」スタンディング、「ともに声をあげよう」と訴えが行われた。ヨドバシカメラ前では、大椿ゆうこ参院議員も参加し、「連れ合いが外国籍であることから入管に行く機会があり、入管というところは外国人を犯罪者予備軍と見ていると感じる」「この思想を変えるためにも、今の入管制度、入管という場所を解体するべきだと思う。人権侵害を当たり前に行う、外国籍の人たちを同じ人権のある人間だと思わない、排除の対象としてこの国から出ていけばいいと思っている」「私たちはすでに多くの外国籍の人たちと共に暮らしているのに。排除の道を歩むのか。すでに共生の道を歩んでいる。それをさらに豊かにすることに、力を届けたい。入管法の改悪は絶対に反対する。その声を大きくしよう」と、強い思いを込め話した。
別の参加者は、「100年前、関東大震災の時に朝鮮人、中国人や障害者の人たちを虐殺した歴史がある」「この法案を通すということは、再び繰り返すことに繋がる。廃案以外にない、ともに声をあげて欲しい」と訴えた。
入管法改悪案は、参議院に移った。国会前では、連日のように抗議行動が続く。「あきらめない」「廃案に追い込む」まで闘い続ける。(浅田洋二)
〔参考〕
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000094
https://migrants.jp/news/voice/20230127_2.html