関西生コンへの弾圧と闘争、組合員の生きる姿を描いた映画『ここから ─「関西生コン事件」と私たち』を観た(3月6日、エル大阪/約150名が参加)。
「私はやめない。聖子は静かにそう話した」と副題にもあるように、「関西生コン事件」を全日建関西地区生コン支部の組合員、松尾聖子さんを通して映し出す。当たり前の労働組合運動が罪とされ、企業、警察、検察一体となった弾圧が吹き荒れる。当たり前の組合活動を貫くとはどういうことか。それを私たちに問う映画である。
松尾聖子さんを照射する中で、関生闘争、労働組合運動を続ける「苦悩」と、それに連帯することの「正義」を、ぐいぐいと私たちに突き付けてくる。
連合大会に自民党幹部が出席したり、大企業の「企業内組合」が主流のような異様な世の中にあって、企業の枠を超えた「産別労働組合」という労働者の連帯の素晴らしさを教えてくれる映画だった。
激しい、権力による弾圧。仲間や家族が分断され、不当な逮捕、長期拘留という理不尽がまかり通る。脱落を余儀なくされる組合員もいる。残る仲間を信じ、組合からは抜けないという決意と団結。戦後最大といわれる労働組合弾圧を真っ向から受けて立ち、一歩でも前に出る態勢を堅持する組合員と組合に心から共感した。
上映会の当日が、「湯川委員長の釈放」「和歌山広域協組事件の高裁勝利判決」と重なり、上映会というより勝利集会の様相になった。湯川さん、松尾さんをはじめ「和歌山弾圧」の3名の組合員も登壇し、会場は大いに沸く。あらためて、たたかう意思を満場一致で確認する場になった。監督の土屋トカチさんに、「『ここから』から、完全勝利の『これまで』になるまで撮り続けてくれ」という発言に、会場には大きな笑い声が響く。その明るさが「関生」の強さだと思う。
久しぶりに「闘う労働者の集会・上映会」に参加できた。全面勝利の日まで連帯し、微力ながら支援したいと肝に銘じた。(川内)