JAL争議団 鈴木恵子さん

JAL争議を支援する兵庫集会で争議団の鈴木圭子さん(写真上)が次のように訴えた(5月12日、神戸市内)。
日本航空(JAL)は2010年12月31日、165人を不当解雇した。政府と日本航空は自らが招いた経営破綻の責任を労働者に押しつけ、年齢と病気欠勤歴を口実に首切りを強行。その手口は国鉄分割民営化攻撃と瓜二つ、「利益優先」「闘う労働組合つぶし」を狙ったものだった。「JAL再建」で会長として乗り込んできた稲盛和夫氏(昨年8月死去)自身が「経営上必要のない解雇」と述べていた。
「年齢基準」(機長55歳、副操縦士48歳、客室乗務員53歳以上)による、ベテラン乗務員の大量解雇は、「空の安全」に背くもの。病欠歴を理由にした解雇は人権問題である。さらに解雇当時、人員削減目標は超過達成しており、12月時点で1586億円の利益をあげたが、パイロット81人と客室乗務員84人を整理解雇した。ILOは「被解雇者の優先雇用」の履行を4度も勧告している。

解雇自由を許さない

解雇から12年たった22年7月、社内2つの労組(乗員組合、客室乗務員組合)は会社の解決案「業務委託契約に職務の提供」(月額12万5千円の報酬で2年間)を受け入れ、解雇撤回闘争を終結させた。これは「雇用によらない働き方」であるため労働法が適用されず、被解雇者の権利と名誉の回復にはならない。
JAL被解雇者労働組合(JHU)は、「希望者全員の原職復帰」と「損害を補償する解決金」の要求を掲げてたたかい続けている。JHUは3人のパイロットで結成(21年4月)したが、現在は32人に拡大(不当解雇撤回争議団は35人)。
当然、鈴木さんはこの解決案にもまったく納得していない。「業務委託契約による職務の提供とは、議事録の作成、ホームページのチェックなど。なぜ私たちが解雇されたのか。被解雇者全員に、そして支援の労働者、市民のみなさんに納得してもらえる内容こそ」を求めている。鈴木さんは「6月株主総会に向けた早期全面解決の全国統一行動にご支援をお願いします」と訴えた。  (高崎)