5月22日、神戸市内で行われた抗議デモ

6月9日の参議院本会議で改悪入管法が自民・公明・維新・国民の賛成多数で可決成立した。これによって難民認定申請中は送還が停止される規定に例外が設けられ、3回目以降は申請中でも強制送還できる。これは迫害の恐れのある国への追放・送還を禁じた難民条約33条に違反しており、難民申請者の人権を著しく侵害するものだ。

立法事実は崩壊

政府は立法事実の根拠として柳瀬房子難民審査参与員の「難民をほとんど見つけることができない」という発言をあげていた。しかし、柳瀬氏が昨年1年間で審査したのは1231件(全体の25%)で、一件当たり数分の審査時間しかなかった。こんな短時間で難民かどうかの判断ができるわけがない。立法事実は完全に崩壊にした。にもかかわらず、同法の成立を強行したのだ。

全国で抗議行動

国会前では6日に5500人の市民が集まって、抗議の声を挙げ、その後も連日、抗議行動が取り組まれた。
5月22日、神戸市内で行われた抗議デモでは、外国人の人権問題にとりくむ弘川よしえ欣絵さん(弁護士)が「20年以上も入管事案をやってきたが、守れる人権は非常に少ない。強制収容にも司法や第三者機関は関与しない。日本維新の会の梅村みずほ議員(大阪選出)は『支援者が面会でウィシュマさんにハンストなどを示唆し、そういう支援者のせいで亡くなった』と国会で発言した。入管の言いたいことを代弁している。許しがたい。改悪法案は廃案に」と訴えた。
20日には大阪市内でも入管法改悪に反対する集会とデモが行われ、梅村みずほ議員の発言を弾劾する声明が採択された。
人権とは人間としての尊厳に基づいて全ての人が有する権利である。人権の尊重に例外はない。外国人の人権を侵害し、その命を脅かす改悪入管法の成立によって、日本に住むすべての人びとの人権が侵害されたのだ。
本当の闘いはこれからであることを肝に銘じなければならない。