
ユン・ソンニョル大統領は、外交においても韓国を窮地に追い込んでいる。訪米直前のユン氏がロイター通信のインタビューを受け、4月19日に報道された。
ウクライナ問題についてユン氏は「大規模な民間人攻撃や虐殺、深刻な戦争法違反など国際社会が受け入れられない状況があれば、人道主義的または財政的支援だけに固執することは難しい」と述べた。韓国では、紛争当事国に対して殺傷能力のある兵器の輸出を禁止している。ところがユン氏は、「人道的・財政的支援だけに固執することは難しい」という表現で、ウクライナに武器提供する意思を示した。
続いて台湾問題について「北朝鮮問題と同じように地域次元を超えた世界的問題だ」「武力で台湾海峡の現状を変更することには絶対に反対する」と中国に対して強硬姿勢を示した。ユン氏は、北朝鮮問題と台湾問題を同列視するという致命的な誤りを犯した。本人はそのことに気がついていないようだが、ロシアと中国という大国の「虎の尾」を踏んでしまった。
この両国は直ちに反応した。中国の汪文斌(おうぶんひん)外交省報道官は、「世界には一つだけの中国があり、台湾は中国の領土の不可分の一部だ。台湾問題は純然たる中国の内政であり、中国の核心的利益の核心だ」と確認した上で、「北朝鮮と韓国はどちらも国連に加盟した主権国家。朝鮮半島問題と台湾問題は性質と経緯が完全に違い、互いに比べることができる性質ではない」と批判した。〝台湾は国連に加盟していないのをご存じないのか〟というわけだ。また秦剛(しんごう)外交部長(当時)は、「台湾問題について火遊びをすれば焼け死ぬ」と強い表現でけん制した。
ロシアも大統領官邸報道官が「武器を供給することは、ウクライナ紛争に介入することを意味する」と警告、メドベージェフ安全保障会議副議長は「我々が、北朝鮮に最新兵器を提供すれば、韓国国民が何というか気になるところだ」と揺さぶりをかけた。
不用意な発言を連発する大統領に、韓国の市民は「ユン・ソンニョルの口が最大のリスク」と嘆いている。(つづく)
