東京電力の福島原発汚染水の海洋投棄が問題になっている。なぜこの十二年間、あの巨大なタンクに汚染水をためてきたのか。それは汚染水が海洋投棄できない存在だったからだ▼なぜそれが二〇二三年の八月からは可能なのか。世界中が批判していることは当然だ。岸田政権がなぜ決断したのか、その根拠はわからない。しかし八月の海洋投棄開始数日前に、わざわざ日米韓首脳会談をいれ、アメリカと韓国に事前に了解を打診したのはまちがいない▼中国をはじめとして世界中から批判があったとしても、アメリカが了解してくれればなんとかなると、岸田政権は考えていたはず▼バイデンも放射能汚染水の海洋投棄を何らかの形で承認したはずだ。しかしその上で重要なことは、中国の日本の海洋投棄批判が強くなっている今、アメリカの商務省長官が、いそいそと中国に訪問し、中国政府と外交関係を密にしていることだ▼アメリカは平気ではしごを外す。岸田政権に未来はない。(秋)