
地球温暖化が著しい。9月に入っても真夏並みの暑さの日が続いていた▼ところで温暖化対策のために、「二酸化炭素を出さないから」という理由で原発の活用が推進されている。グリーントランフォーメーション? いやちょっと待て▼原発はエネルギー効率が非常に悪い。原発が発生させる熱量のうち電気エネルギーに変換されるのはわずか33%すぎない。最新のコンバインドサイクル発電所が62%だからその半分だ。現在稼働中の大飯原発3、4号機の各出力が118万㎾、これだけの電気をつくるために各240万㎾相当の熱をむだに排出している。高校物理レベルの計算だ▼大飯3、4号機が1年間稼働すれば25度の海水を4・2億トン沸騰させる。原子炉で直接地球を焚いているようなものだ▼それでもCO2を排出するよりましだというならきちんとした計算を示すべきだが、責任ある「気候科学者」の説明をまだ聞いたことがない。脱炭素が原発推進の口実とされる現状を憂う(ほ)
