クマやシカが民家に出没して「駆除」されたそうな。「保護」と叫ばれたものが一転、「危険・駆除」に変わる。人間の勝手な開発で里山をなくし、住処を追われた動物たちの逆襲だろう▼人間の食料のために命を与えられた鶏やブタが、病気になったからと大量に「殺処分」される。納得いかない出来事が次々おこる▼その最たるものが「戦争」である。「平和を」と叫びながら、武器を作り続ける。殺し合う準備ばかりに忙しい▼わが政府も「○○が攻めてくる」「どこそこで有事が起きれば日本も巻き込まれる」と、不安ばかり煽る。「武器を持たない。外交努力をします」という安心を誰も言わない▼ヘミングウェイ『誰がために鐘は鳴る』の一節に、ボスが青年に語るこんな言葉がある。「今日という日はこれから続くすべての日の一日にすぎない。だが、これからさきの日におこることはきょう、おまえがすることによって決定される」▼私たちは「今日」、なにをするべき日だろうか。(侑)