
成田空港の機能強化と農地の取り上げに反対する全国集会が、10月8日、成田市内で開かれ、520人が参加しました(写真左)。
基調報告で三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原富夫さんは、怒りを込めて、市東孝雄さんの農地への強制執行(2月15日)を弾劾。農地を奪われて怒り心頭に発した市東さんは、「これまでは『話し合い拒否』路線の下で、『空港会社とのやりとりは裁判所だけ』でやってきたが、大事な農地を奪われては黙っていられない。直接文句を言いたい」ということで申し入れ書を作成して、空港会社に叩きつけたそうです。
空港拡張にむけ第三滑走路の準備工事が開始されている今、「耕作権裁判や騒音被害と闘う周辺住民、放射能汚染水放出と闘う福島、新基地建設に反対する沖縄の人びとと連帯し、三里塚闘争を大闘争へと発展させよう」と呼びかけました。
耕作権裁判
顧問弁護団の一瀬敬一郎弁護士は「耕作権裁判で、空港会社の提出した境界確認等の文書は証拠として使えるものではないと裁判所が判断した」と報告。「勝利か?」と思って聞いていたらそうでもない様子。
普通、訴えの根拠となるものが信頼できないと判断されたら、その訴えは無効とされるものでしょ? しかも空港会社は「提出されたもの以外にいかなる関連文書もない」と言って文書提出を拒んでいるわけですよね。ところが空港会社の訴えは却下されずに、裁判を続けるとは! 「国策」というものがいかに強大な権力をふるうものかがうかがえようというもの。
一瀬弁護士は、「有利に進んでいる裁判だが、油断すれば敵に利する判決となりかねない。徹底的に監視し、裁判所を包囲する闘争を」と呼びかけました。
そして市東さんが登壇。「農地を取られて8カ月。ビニールハウスやトイレを作り直し、大変ではあったが農業を続けることができるよう、がんばってきた。空港会社は農業をあきらめるようプレッシャーをかけてきているが、土地を取られたからと言ってシュンとなるような性格ではない。福島、沖縄、三里塚一体の闘いとしてやりぬく。闘志ますます盛んなり」と揺るぎない悠然とした決意表明。会場は割れんばかりの拍手につつまれました。(安芸一夫)
