
外国人 若者の貧困
外国人労働者の問題も深刻である。技能実習生が働く職場の70・8%(5752カ所/8124カ所)に労働基準法、労働安全法違反があった(2020年厚労省調査)。悪条件のため、職場からの失踪は毎年9000件に及ぶ。外国人労働者の貧困・差別・人権侵害として深刻だ。
さらに若者の奨学金問題がある。かつては無利子で、一部は返還も免除されるなど給付的なものだった。それが行政改革によって有利子化(ローン化)されたことによって、利用者にとって大きな負担となっている。
世界水準は給付だが、日本は貸付である。学生の2人に1人が利用し、平均320万円、最大2000万円の借金を背負う。返済滞納者は30万人。卒業しても返済できない人が急増している。延滞金は年10%。強制執行は年間500人。「借金と結婚するのか」と親から反対されるという。
出口はあるのか
「豊かな社会」の貧困と格差の構造の変革に向き合っていかなければならない。出口はあるのか。いま、水や土地、気候、自然や医療、教育、住宅など、人が生きるために必要なコモン=社会的共有財産をグローバル資本の手からコミュニティに取り戻す運動や取り組みが始まっている。
例えば、無償化を含む有機無農薬給食への試みが、先進的な地域では生産者と子ども・親、消費者・労働者を結びつけ、市民は議会や自治体に条例化による地産地消や有機農産物を求め、社会を変革していく運動として始まっている。命と暮らし、コモンを取り戻すこと。それは市民自治・市民主体でコモンを取り戻すミュニシパリズム(地域主権主義)にも通ずる。岸本聡子さん(杉並区長)が提唱する、政治や市民運動のフェミナイゼーションに注目が集まっている。過半数が女性議員という地方議会も増えている。様々な可能性を追求しながら、運動やネットワークの在り方について議論を深めていきたい。(石田/おわり)
