
11月10日、大阪府議会の議員全員協議会を傍聴した。大阪万博の会場建設費が当初予算の2倍近くの2350億円に上振れすることを大阪府が受け入れたことで開かれたものだ。「万博不要」という世論が広がっていることを気にしての開催と推測するが、質疑は「物価上昇では2回目の増額も仕方がない」「これ以上増えないと思う」というトーンで終始した。
中には、「府が2回目の増額受け入れを、議員全員協議会の前(11月1日)に決めたのは議会軽視だ」(公明)とか、「パビリオン建設の遅れが早くから言われていたのに対応が後手後手に回った」(自民)などの意見もあったが、最後は「万博を盛り上げていこう」とシャンシャンで終わった。終了間際に共産党の石川たえ議員が発言を求める動議を出したが、賛成は3人だけで動議を否決し、発言させなかった。5人以上の会派でなければ発言できないというルールらしいが、「万博は不要」という大多数の声は府議会では完全に封殺されてしまった。これで府民を代表していると言えるのか。全く非民主的な議会運営というしかない。(堀ちえこ)
