辺野古工事の代執行裁判が開かれた10月30日、開廷前の午後1時に事前集会が呼びかけられました。福岡高裁那覇支部の目の前にある公園です。1時前に着くと参加者が集まっていました。発表は300人でしたが、もっと多かったように思いました。
集会が始まり、少し遅れてデニー知事が現れマイクを握り、「明鏡止水の気持ちである。いばらの道を踏み越え、一歩一歩進んで行こう」とあいさつ。故・翁長知事が、この闘いを「いばらの道」と言いました。それを踏まえてか、「踏み越え」というところにデニー知事の決意が感じられました。
〝デニー〟コールで裁判所に送り出し、知事が再び公園の前に姿を見せたのは3時40分頃。県庁で記者会見があるということで車から手を振るだけでした。傍聴者の報告は「即日結審、判決の結果は後日言い渡される」とのこと。代執行裁判で知事の権限を奪うには、3つほどの理由がなければなりません。①法令違反、②他の方法による是正が困難、③著しく公益を侵害していることが明らか、などです。

県の意向も公益ですよ

当日の知事の意見陳述、県の弁論要旨を私なりに解釈してまとめると、①については、9月3日の最高裁判決は、国の「是正の指示」が適法と言っただけですよ。つまり、大浦湾側は軟弱地盤があり、防衛局が設計変更を求めたのに対し、県が不承認とした。それに対し、「国が不承認を是正しなさいと言ったことは適法だ」と最高裁が判決したに過ぎないのですよ。
なにしろ、防衛局が提出した設計変更は、軟弱地盤に7万1千本の杭打ちをすると書かれており、「それじゃ環境に影響するからダメです」という県の判断は法令違反なのですか、法令違反ではないでしょう。最高裁はそれについての判決はしていないのですよ。という、反論の論理です。
②については、知事は陳述で累々と述べましたが、簡単に言えば「他の方法と言っても、県が求める対話などしていないですよ」という反論です。
③県民は、辺野古新基地建設反対の県民の意思を何度も示していますが、「県民の意向なども公益ですよ。国の公益ばかりで判断しないで欲しい」などと弁論しました。

「裁判所は国の味方」
わかっているさ
さて、いくら私たちに理がある弁論でも、すでに裁判所の本質が国寄りとわかっていますから、「敗訴を覚悟」しています。その場合、再び「設計変更を認め、事実上の辺野古承認とするのかどうか」の判断が突きつけられます。知事は不承認を覚悟していると思われますが、承認期待の県庁幹部職員、市長会、自民、公明、政府の圧力は大変なものです。
今は知事激励のときです。オール沖縄は11月5日に県民集会を北谷ドームで開催しました。激励を受けた知事の演説内容からは、代執行裁判で敗訴になっても屈しないと感じました。
当日の参加者は1800人。宣伝の不十分さ、会場の広さからも考えると、まず適当な参加者だったと思います。次の11月23日は「県民の会」が主催し、会場を奥武山球場に移し県内外から1万人の大集会を呼びかけています。ここが重要な山場です。判決を県民、市民の声で跳ね返すのです。

♪がんばろう 突き上げる空に 島の内外のこぶしがある 判決をはね返すこぶしは一つ 闘いはここから 闘いは今から♪

(富樫 守/11月9日)