私は、諸般の事情で以前にウツ症状が出たことがあります。手帳の取得まではいかなかったものの、部屋はいわゆる「ゴミ屋敷」状態になってしまいました。今は回復しています。この経験を活かし、精神疾患のある利用者さんにも家事支援をしています。

「片付けたいけど」

介護支援で行う清掃の場合、利用者さんが「本当に片付けることを希望しているのか」が大切です。そうでないと「部屋はきれいであるべき」という健常者主義の押しつけになってしまうからです。「片付けたいけど、できない」という人も多いです。そういう方には以下のやり方が効果的でした。

A4カゴで仕分け 

経験的には、100円ショップで売っているA4サイズのカゴを3つ準備します。できれば色違い。コタツの上から片付けるとした場合、コタツ上の手前の方からA4程度の面積分おいてあるものをカゴの一つに入れます。
次にカゴから一つ取り出して、利用者さんに「これはとっておきますか?」と訊きます。「とっておく」なら、「とっておく」の別のカゴに。迷っているようなら「保留」のカゴに移します。「いらない」なら、そのままゴミ箱です。最初は判断に時間がかかりますが、繰り返すうちにテンポが上がってきます。
「とっておく」カゴや「保留」カゴが一杯になったら、もとの場所に戻します。その際、「文具は文具、紙類は紙類」と、近い種類のものをまとめるようにします。そうすると、物の分量が把握できるようになります。
ボールペンなどは、ごっそり出てくることがよくあります。本人が把握できなくて探すのがおっくうになり、つい新しいものを買ってしまうからです。
ある発達障害の人は近くにホームセンターがあり、保温水筒をつい買ってしまうらしく、8本も出てきました。そのうち5本はフタがなくなり使えないので破棄しました。こうして物の量を減らせば「整理」へ作業を進めることができます。
この方法が効果的なのは、利用者さんが自分で判断し処分していくので、揺り戻しが少ないということです。また、一度仕分けすると「物が減らなくても」専有面積が圧縮されるので、生活がしやすくなります。
(小柳太郎/介護ヘルパー)