
『反戦平和! 命どぅ宝』のテーマに、様々な闘いの現場で歌声を届け続ける川口真由美さん。彼女の歌と語りによる講演を聴いた(10月28日、「日の丸・君が代」強制反対大阪ネット総会)。
いま沖縄の海ではトンブロックが投入され、サンゴを殺している。沖縄の友人が毎週カヌーに乗ってしがみついて工事を止めている映像などが映し出される。「1分、1秒、1時間、1日、ずーっと続ける中で、工事が伸びて、沖縄のことを知った人がまた沖縄に行ってくれたらいいな」と。
川口さんの祖母の兄弟が戦時中、インパール作戦で戦死した。山中の砂利道を二晩かかってようやくたどり着くような場所で、多くの日本人が命を落とした。戦地から送られてきたのは、骨箱に入っていた石だけだった。その骨箱を受け取ったときは涙を見せなかった母親は、家の奥で号泣していたという。
子どもたちの力
「子どもこそまっすぐな柔らかい頭で考える、感じる人間力みたいなものがあるように思う。若いというのはすごいな」という川口さん。彼女が子どもとともに辺野古の美しい海岸を走りながら、「今のところを全部コンクリートで埋めるのよ」と言うと「え~っ、どうしたらいいの」と驚いていた。「これに大人の私がどう答えるかだ」と。
外科医になりたくてチェコの大学に進学した川口さんの2番目の男の子が、「ウクライナの子どもたちの支援に自分も行っていいかな」と電話してきたとき。思わず「そんなん戦地やん。何かあったら死んでしまうやん」と。いきなり子どもと戦争が間近になったようで、「ホンマのところ、やめといてよ」と思ったという。しかし、「ウクライナで、ロシアで、ガザで今も殺りくが繰り返されている。戦争の惨事を知って、自分に何ができるかを問うている」と。
真由美さんの揺るぎない反戦の思いを知ることができた。(佐野)
