
大阪万博のシンボルとして建設が進む木造リング(大屋根)に批判が殺到している。建設費は約344億円。11月29日の参院予算委員会で立憲民主党・杉尾秀哉議員の追及で、リング5メートルにつき1億円もかかることが明らかになった。SNSでは、「半年で解体するのに無駄遣いの極致」など批判の声が多く上がっている。また万博推進本部長を務める吉村洋文大阪府知事は、「清水の舞台と同じ、釘を一切使わない伝統工法」と自画自賛していた。ところがリングの工事にはボルトやナットを使用しており、「伝統工法」は真っ赤なウソだった。
それだけではない。当初予算の1・9倍、2350億円に上振れした会場建設費とは別に、「日本館」建設などで837億円の国費負担が生じることも明らかになっている。一体どこまで膨れ上がっていくのかわからない。
11月14日には、「どないする大阪の未来ネット」(どないネット)が、2025年日本国際博覧会協会と大阪府市万博推進局に、大阪万博の中止を求める署名9万731筆(第1次分)を提出した。提出に先立って、両者に事前通知したところ、万博協会は「郵送で結構です」という返答。再度の交渉の末、直接手渡しとなったが、「受け取りはWTCの2階のフロアー、マスコミ帯同および写真撮影は禁止」という高圧的態度。毎日放送と共同通信が取材交渉したが拒否された。ここにも市民の声をまとも聞こうとしない万博推進派の姿勢があらわになった。
一方、大阪府市万博推進局への署名提出では、応接室で課長代理と係長が対応。撮影もOK(写真上)。どないネットでは第2次分の署名を12月中旬に提出予定だ。 (堀ちえこ)
