
大阪の朝鮮学校が、日本政府の「高校無償化」政策から排除され、大阪府・大阪市から補助金交付を停止されたことに抗議して、二つの裁判が闘われた。その10年間におよぶ闘いの軌跡を収めた『「あたりまえの権利」を求めて』の出版記念集会が11月22日、大阪市内で開かれた。
大阪朝鮮学園の李俊男理事長は「70年を超える民族教育が日本に根付き、そこから輩出された多くの優秀な人材が日本社会で活躍していることを誇りに思う」と述べた。そして、先日の全国高校ラグビー大阪府予選の決勝で最後まであきらめずに果敢なタックルを見せた朝鮮高校ラグビー部のように「『あたりまえの権利』を獲得するまで闘う」と決意を語った。
無償化連絡会・大阪の共同代表・藤永壮(たけし)さんは、「在日朝鮮人をはじめ、広く外国人の人権・教育・歴史に関心をもつ皆さんの参考になる内容を目指した」と話した。
ラグビー日本代表の李承信(リ・スンシン)さんのビデオメッセージも紹介された。
民族としての誇り
裁判を共に闘った当事者によるリレートークでは、朝鮮学校を高校無償化の対象から除外した国の処分は違法だとして、無償化適用を命じた大阪地裁判決(2017年)の歴史的な意義を振り返った。「民族教育の歴史に深く刻み込まれた勝利判決」「裁判官が民族教育の意義に触れたことが素晴らしい」「自らのアイデンティティを確認し、朝鮮民族としての誇りをもつきっかけとなった」。
2010年に無償化排除が決まったときは、「自分自身の存在を否定され、心臓をえぐりとられるような痛み」を感じ、「在日朝鮮人の存在を抹殺しようとする日本政府への怒りと、拉致問題を口実に在日への集団いじめ・リンチを助長する日本社会に恐怖を覚えた」という。そして「無償化はどんな学校でもすべてが受けることのできる権利」であることを再確認した。(佐野裕子)
