マスメディア(とくにテレビ)のパレスチナ問題の扱いに、違和感を覚える。ネタ二ヤフ首相やイスラエル軍の会見が繰り返され、パレスチナの歴史や背景はほとんど触れられない。ガザの悲惨な映像は映されるが、「ハマスのテロ」「病院が拠点に」などのコメントが被せられ、爆撃されても仕方がないかのように印象付けられる。防衛研究所などの軍事専門家に〝作戦〟を解説させる一方、ガザで救援にあたるNGОや国連関係者のコメントはまれだ。
ガザへの激しい攻撃により、すでに1万9千人を超える市民や子どもたちが殺されている(12月20日現在)。これこそ国際法違反だ。「イスラエルの自衛権」や「人道的支援」という表現も、事態を曖昧にさせる。ガザで繰り広げられているのはジェノサイド(大量殺りく)である。
フリージャーナリストの綿井健陽(たけはる)さんは、「(イスラエルとパレスチナの間には)圧倒的な非対称の関係性と歴史がある…並列的な言葉では表せない」「報復や自衛権行使をはるかに超え、どんな言葉も追いつかない … パレスチナ人への殺りくだ」と述べていた。
ヌーラ・エラカットさん(パレスチナの女性)のスピーチをユーチューブで聴いた。「爆撃されているのはパレスチナ人の夢であり、記憶であり、未来の可能性。いますぐ停戦を! (パレスチナの事態は)西洋の普遍主義がむき出しの偽善であり、長きにわたる植民地主義の現実を明らかにした。それを乗り越える未来を予感させた。私たちは、この地で生きる権利がある。この地で未来を創る。私たちは祖先が植えたオリーブの木だ」。
「即時停戦」を強く求める。(竹田雅博)