
「大阪万博、本当の狙いはカジノ」。フリージャーナリストの西谷文和さんの話を聞いた(1月21日。神戸市内/主催・NHKとメディアを考える会)。西谷さんは、「万博をやめてお金と人を能登の被災地支援に」「4月13日までに博覧会国際事務局に中止を申し出れば、350億円の賠償金で済む。それ以降は800億円以上になる」と話した。講演の要旨を紹介する。
工期遅れ経費は青天井
大阪万博の建設費が二度目の上振れ、当初の1250億円から2350億円になった。吉村府知事は「資材、人件費が高騰」と言い訳しているが、全くのウソ。自見・万博担当相の「日陰をつくるため」という会見に、みんながズッコケた木造大屋根が350億円。工期は遅れ、なぜいまだに更地なのか。夢洲は想像以上の軟弱地盤、80メートルの杭を何百本も打たないといけない。アクセスが橋とトンネルだけ、資材も運べない。工期の遅れは、さらに資材価格、人件費の高騰につながる。もっと税金をつぎ込むことになる。
経済効果2兆円のウソ
「経済効果は2兆円もある!」(吉村知事、横山市長)も曲者だ。みんな「ふーん、そんなに」と聞き流すが、これも眉唾もの。会社命令でチケットを買わされ、入場料7500円を払い夢洲に行き回転ずしを食べるとすれば、確かに「2万円ほどの効果」はある。しかし、USJに行って、地元の街で寿司を食べて2万円使っても、どちらも効果は同じだ。
カジノは、もっと酷い。カジノで負けた分は、カジノがなかったら地域での消費や旅行で使われるはずのお金だ。韓国でカジノはどうだったか。賭場で上がる年間「収益」2兆円に対し、依存症や失業対策、犯罪増への対策費などで差し引きマイナスである。イソジンを持ち上げた吉村知事。松井前市長はビニール合羽を集めた。市役所は合羽の保管に困り、市内の学校に「引き取り」を依頼し断られたという。
ちなみに松井前市長は、「万博経済効果は6兆円」と言っていた。記者クラブの記者たちが「いつ6兆円が2兆円になったのか」「空飛ぶ車の事故が起きたら、誰が責任を取るのか」など切り込んでいれば、視聴者も気が付く。在阪メディアは「万博の側」「吉本興行の側」「カジノ利権の側」におり、吉村知事の言い訳会見を流すだけだ。私は「万博崩壊」を徹底追求するつもりだ。
