
昨年10月22日から、神戸の繁華街・三宮マルイ前で、イスラエルのパレスチナ攻撃に抗議して、「ひとりデモ」を始めた女性(Aさん)がいる。最初は手作りのバナーを2歳の子のバギーに貼り付け、道行く人に訴えた。
次の週には数人の友人が駆けつけ、それからSNSや口伝えで知った人たちが参加するようになり、年が変わってからは毎回30人を越えてきた。
2月18日には40人が集まった。ベビーカーも3台になり、生後2カ月の赤ちゃん、1歳、2歳の幼子から80代まで、初参加の人も多かったようだ。
「この4カ月で1万5千人の子どもが殺されています」とAさんは呼びかける。「パレスチナを知るキーワード」というチラシを配ったり、パレスチナの旗を振ったり、手作りのボードを掲げて静かに立っていたり、若い女性の「Free Free Palestine!」のコールに声を合わせたり、2カ月の赤ちゃんのお母さんは、途中、ミルクを呑ませ、それがすむと抱っこしてチラシ配り。一人ひとりが自分のスタイルで自分の意志を示していた。
スタンディング終了後、Aさんに「ひとりデモを始めるときに勇気がいったのでは」と問うと、「とくになかった」という答えが返ってきた。Aさんは言う。「子どもが4カ月で1万5千人も殺されるなんて正しいはずがない。『虐殺に反対しない世界』って、おかしいって、その率直な思いを一人ひとりが正直に声に出してほしい。私には、殺されてる子どもたちが全部自分の子どもに思えるんです」と。愚問を恥じた。
3月末まで毎週日曜日(午後1時~2時)、スタンディングは続けられる予定だ。(蕗子)
