垣根をこえて 第8回狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西=2月23日

今年85歳になった石川一雄さんの再審をめざす集会が大阪の西成区民センターで開かれた。
『被差別部落に生まれて』の著者、黒川みどりさんが講演を行った。
2021年9月に石川一雄さん・早智子さんと出会い、お話を聞いたことが本を書くきっかけに。石川一雄さん本人に焦点をあて、等身大の石川さんを知ってもらいたいと考えたという。
石川さんは狭山の被差別部落に生まれ、9人兄弟。家は貧しかった。お母さんはトラホームにかかったが病院に行けず失明した。10歳から年季奉公に行った石川さんは学校教育を十分受けることができなかった。善枝さんが殺された時、部落に捜査の目が向けられた。「部落は犯罪の温床」という偏見ゆえである。
警察に騙されて犯人に仕立て上げられていることを石川さんが知ったのは、東京拘置所の中だった。石川さんは、警察官から「お兄さんが犯人かもしれない」と吹き込まれていた。また、「死刑判決が出ても10年で出られる」と騙されていた。そのことに気が付いた石川さんは無罪を主張し、仮出獄を果たし、現在も再審を請求して闘っている。黒川さんは、「私たちができることは、狭山事件を知らない人たち、特に若い人にこのことを知ってもらうことだ」と言う。
講演後、石川一雄さん・早智子さんの元気な姿をビデオで見た。えん罪の構造を描きだした学生たちの模擬裁判も興味深かった。(堀ちえこ)