この春、大阪湾と播磨灘のイカナゴ漁は壊滅的だった。大阪湾は全面自主休漁、播磨灘も解禁日1日で漁を打ち切った▼近年のイカナゴ資源の激減、諸説あるが水温の上昇に加え、赤潮対策の下水処理により、餌となるプランクトンに必要な栄養分が不足してきたことが大きいらしい▼淡路市では漁協が中心となり、栄養が多い溜池の水を海に戻すなど、さまざま工夫もされてきた。筆者の意見、「イカナゴの釘煮」のためには、ニシンや明太子のように県外産になっても伝統の味を残してほしい▼職場の同僚女性たちは「高いよね!」と、あきらめ顔…。親類縁者に配るため「苦役」を強いられてきた彼女たちは、ほっとする気持ちもあるようだ。これらジェンダー的課題がクリアされないところも、イカナゴ資源復活話がそれほど盛り上がらない原因の一つかも▼ちなみに「男もすなる」の私は、例年2キロほど自ら鍋を手にし、「ごはんに釘煮」に舌鼓を打っていた。今年はもちろん、ない。(柳)