181回目の「水曜デモ」(神戸)。残念で腹立たしいことと嬉しいことがあった。いつものようにアピールを始めたところ、60歳くらいの男性が近寄ってきた。男性は私たちの横断幕を見ながら、「これはチョーセンのことか」「大嘘やないか」と吹っかけてきた。
もちろん、私たちは説明した。「日本軍『慰安婦』問題は、女性の人権にかかわること。朝鮮だけの問題ではないですよ」。しかし、彼は執拗だった。大声でわめき散らし駅前は騒然となり、なかなか立ち去らない。大声で怒鳴り続けた。
通りがかりの女性が、「警察に電話しましょうか」と声をかけてきた。女性は、本当に恐怖を感じていたようだった。なんとか駅の構内まで追いやったとき、ちょっとした「事件」が起きた。「チョーセン人は帰れや」などという差別発言に対し、通りがかった高校生くらいの男女10人ほどが、「なんやとー、ええかげんにせえ!」と男性をとり囲んだ。あまりに酷い発言に、若者の一人が男性の首根っこを締めあげ殴ろうとする。周囲の友人たちが、「こんなやつ殴ってもしょうもない」「やめろ、やめとけ」と止めに入った。
それでも男性はふてぶてしく、立ち去ろうとしない。若者たちも私たちも抗議し続け、なんとか収めることができた。警察が来るだろうな…と、私たちが場所を変えようとしていると、やっぱり警察がやってきた。あの男性もいっしょに。
けっきょく「被害届を出す、出さない」と、面倒な話になってしまった。もちろん「事件」にはなっていない。この事態に、この日、私たちは「水曜デモ」を行うことができなかったが、いい若者たちに出会うことができた。
日本軍「慰安婦」問題の解決を訴えていると、残念ながら右翼的な人に絡まれることは日常茶飯事だ。しかし、通行の人たちが声を上げ、それに助けられることは、ほとんどない。この日は、妨害されたという怒りよりも、このような若者たちに出会えた喜びの方がはるかに大きかった。これは長田だからであって、他の場所なら出会えなかったかもしれない。こういうことが起こっても、そう簡単にアピールの場所を変えることはできないとも思った。
神戸の水曜デモは、第4水曜日。フェイスブックでもお知らせしています。ご参加ください。
(「慰安婦」問題を考える会・神戸/おかだ)