
辺野古の新基地建設に反対し、抗議する辺野古ぶるーカヌーチームの鈴木公子、千葉和夫、富樫守さんから報告があった。「いま大浦湾で何が行われているのか」「カヌーチームの毎日」が伝わってきた集まりだった。女性の参加者が多く、若い世代や初めてらしい人も。(3月31日、神戸市内)。
軟弱地盤と活断層
鈴木公子さん 1月10日、国の代執行により大浦湾に砕石が投下されました。軟弱地盤は70~90メートルの深さにあり、地盤の固さを示すN値はゼロのマヨネーズ状態です。防衛局は、そこに砂杭7万本を打ち込み、地盤改良するとしています。作業を行うサンドコンパクション船が工事可能なのは、最大70メートルまでとされています。とするなら、その先の20メートルは工事ができません。「そこは、しなくてもいい」と防衛局は言っていますが。
しかも大浦湾には、楚久(そく)活断層が走っています。とても危険なのに耐震設計を考慮していません。7万本の砂杭を打ち込むためには、386万㎥の海砂が必要で、沖縄の沿岸部から採取すると言われています。沖縄県が1年間に道路その他の工事に使用する量の2倍、すさまじい自然破壊になります。
ダンプ3万台の砕石
いま、護岸工事などに使われる巨大なコンクリート塊、ケーソンの仮置き海上ヤード(作業場)3基を建設しようとしていますが、つくるだけでも2年半かかり、10トンのダンプカー3万台分の砕石が投下されます。3基の総面積は42870㎡、防衛局は工事が終われば撤去すると言っていますが、軟弱地盤に投下した砕石をどうやって引き上げるのでしょう。多分放置されるでしょう。その場所、台船の下に枠をつくりユンボで砕石が投下されています。砕石は洗浄すると言っていましたが、現場で見る限り、粉塵が上がり洗浄はしていません。
ケーソンは幅22m、延長52m、高さ24m、重量7000tと言われており、それを38個設置します。ケーソンは、三重県でつくられ海上搬送される予定。埋め立てに必要な土砂、砕石は塩川港からガット船(土砂・砕石運搬船)によって運ばれます。塩川港から大浦湾まで一晩かけて回ってきて、ガット船から台船への瀬取り(積み替え)、さらに台船からダンプカーへ積み替え、工事現場に運びます。
カヌーに突っかかる
辺野古ぶるーカヌーチームは、大浦湾に入ってくるガット船を阻止するために海上で行動しています。ガット船は3000トン、カヌーは30キロで「戦車と乳母車」くらいでしょうか。
ガット船とカヌーの間に、海上保安庁が立ちはだかります。海上保安官が乗っているGB(ゴムボート)は、硬質プラスチックの船で、エンジンは2機。もともとは「不審船」に対処するためのもの。ガット船は船団を組み、多いときは10隻、平均で4~6隻で大浦湾に入ってきます。
現場には臨時制限区域をつくり、フロート、ブイを張っています。その中に入らなければ、工事を止めることはできません。制限区域をめぐって海保とカヌーチームがやりあっています。そこは、非公開の日米合同委員会で決められた区域、法的根拠はありません。それを巡っても裁判で追及しています。(つづく)
