憲法記念日の5月3日、「輝け! 憲法 平和といのちと人権を 2024・おおさか総がかり集会」が、大阪市北区の扇町公園で開かれました(写真上)。戦争へ向かう岸田政権に危機感を持った人たちが多かったのでしょうか、例年より参加者が多いように感じました。
集会のメインスピーチはピースボート代表の川崎哲(あきら)さんで、テーマは「終わりの見えない戦争 平和をどう創りだすか」。
川崎さんは、「軍事は、私たちの生活・医療・福祉・子育て・親の介護に必要なお金を奪う」と話しました。軍事は何も生産しません。破壊するだけなのです。今、世界の軍事費は過去最高の2兆5000億ドルになっています。日本を含む東アジアの地域は、全世界の軍事費の4分の1を支出しているのです。
「抑止力」について川崎さんは、「抑止力は国際法上問題ないのか、違法性はないのか」と問いかけました。2017年にできた核兵器禁止条約に世界の半数の国が加わっています。日本政府は自衛のために核抑止力は必要と言いますが、その核抑止力は、世界の半分の国によって明確に否定されているのです。
そもそも核に限らず武力による威嚇は、日本国憲法第9条1項が永久にこれを放棄すると言っています。国連憲章第1章2条4項も、すべての加盟国はそのようなことを慎まなければならないと定めています。
「相手の国を威嚇して相手の行動を制約しようとする抑止力という考え方そのものが、国際法上重大な疑義があると言わざるをえない」と川崎さんは批判しました。
そして「軍事力は何ら問題を解決しない。戦争で解決された問題があっただろうか。軍事に代わる道は核兵器禁止条約などの法規だ。市民の活動で平和のためのルールを作りだし、今ある暴力を最小限に押しとどめるために、一人一人が平和の大切さを声に出し、広めてください」と訴えました。(池内潤子)