
ニュースサイト「ハンター」(5月22日)に、昨年1月に大阪湾・淀川に迷い込んだマッコウクジラ(淀ちゃん、1月13日に死亡を確認)のことが載っていた。松井一郎・大阪市長(当時)が記者会見で、「海から来たクジラくん、亡くなってしまったら海へ帰してやりたい」と発言。大阪市は8000万円超を費やしてクジラを台船で紀伊水道に運び、海に沈下処分した。
今年2月、またもクジラが大阪湾に入り死亡。今回は堺市の埋め立て地に埋設処分にした。埋設処分にかかった費用は1500万円。沈下処分の8000万円の5分の1以下ですんでいた。「これはおかしい」と市民が大阪市に対し住民監査を請求した。
これを受けた大阪市監査委員は4月、「調査結果から、本件契約の締結には多くの疑義が認められ、契約事務として不当なものであった可能性が高い」として、横山英幸・大阪市長に対し、第三者機関を設置して調査を求めること、さらに金額が高いと評価された場合には、関与した大阪市職員への損害賠償請求を行うよう勧告した。
全文89ページの勧告文書の主要部分はほぼ住民からの監査請求を追認している。8000万円という金額設定に根拠がなかったということだ。この「海洋沈下処分」を請け負ったS汽船は、日本維新の会の衆議院議員・井上英孝氏を長年支援してきたことで地元で有名な会社だ。(一博)
