
大阪府は、府内の小・中・高校の児童・生徒を大阪万博に無料招待するとしている。吉村府知事は「事前アンケートで75%が参加」と胸を張ったが、市をあげて不参加を表明した交野市の山本景市長は、これを批判。そもそも回答の選択肢が「希望する」と「未定・検討中」しかない。「未定・検討中」を選んだ学校には府教育庁が「問合せ」という形でプレッシャーをかけ、「希望する」を選択させているという。
実際、筆者が居住地域の小・中学校に「万博に子どもたちを連れて行かないでください」と、申入れたところ、応対した教頭は「『希望しない』という項目があればねえ」「本当は行かせたくない」と本音を漏らしていた。「教育委員会から言われると…」と言う教頭もいた。
山本市長は、この事態を「正に踏み絵ですよ。ちなみに大阪維新の会公認の首長になっている大阪府内の市町村は『参加』という項目しかないと直接、聞きました」と述べている。
しかも、参加したとしても子どもたちが入場できるパビリオンは1つだけ。学校側が選ぶこともできない。学校の遠足は遊びではなく授業の一環だ。そこには獲得目標がある。子どもたちにとってみれば、一日がかりで見たくもないものを見せられて、屋根のない休憩所で弁当を食べさせられることになる。しかもその休憩所は、メタンガス爆発事故のあった1区にあるのだ。
夢洲(ゆめしま)は産業廃棄物の最終処分場だ。様々な有害物質が埋められているため、メタンガスが発生し続けている。そこに万博会場やカジノを建設しようというのだから、最初から無理がある。
3月28日に夢洲1区のトイレ建設現場でメタンガスが爆発した事故では、一酸化炭素が400ppmも発生していたそうだ。工事に当たっていた作業員は本当に大丈夫だったのだろうか。
博覧会協会は事故対策として「工事前にメタンガスの濃度を測る」というが、今年1~3月にパビリオンワールド工区の4地点でメタンガスを1回ずつ検出したとき、協会は「工事を中断するほどではない」と工事を進めていた。吉村知事も博覧会協会も目標の入場者数を達成することしか頭にない。そんな危険なところに子どもたちを「動員」するなどもってのほかだ。(堀ちえこ)
