
公園には災害時避難場所としての役目がある。大阪市に34カ所ある広域避難場所は大規模火災時を想定しているが、災害時の管理はどうなっているのだろうか。実際に大阪城公園、長居公園、鶴見緑地公園の指定管理者にインタビューを行った「大阪の未来をつくる市民ネットワーク」の石田肇さんに話を聞いた。
飲料用の貯水槽がある広域避難場所はうつぼ公園、天王寺公園など9カ所だけだ。
また市内の広域避難場所33カ所に合計1450基のマンホールトイレが整備されている。これは災害時に下水管の上に設けたトイレ用の蓋を開け、その上に簡易トイレなどを設置して開設するというもの。
長居公園の公園事務所でマンホールトイレの開設について聞くと「分からない。区から何か言って来ると思う」という答え。公園の指定管理者に聞いても「分からない」。大阪市の危機管理室に問い合わせると「下水道局ではないか」という。下水道局の災害担当の話で「マンホールトイレを開設するには下水道の状況確認が必要だ」ということがようやく分かった。下水道局の技術者が、下水道菅が壊れていないことを確認してからでないと開設できないのだ。大阪市のホームページには、「災害が起きた場合には即座に対応できるようになっております」と書いてあるが、「即座に」は到底無理だった。
また、広域避難場所に設置された飲料用の貯水槽を開けられるのは水道局の職員だけだ。石田さんの話を聞いて、疑問が浮かんだ。災害時に下水道局や水道局の職員がすぐに下水管の点検や貯水槽の蓋を開けに来れるのか。そもそも貯水槽の数が少ない。なんとも心もとない話だ。(N)
