
沖縄「慰霊の日」の6月23日、大阪市内6カ所と神戸市内1カ所(写真)の計7カ所でスタンディングが行われました。参加者はのべ100人。
それぞれ午後1時から2時までの1時間。1分間の黙祷で始まり、メッセージボードやバナーを掲げ、マイクアピールでこの日の行動の主旨を訴えました。行動終了後、ふりかえり集会を40人で持ちました。呼びかけチラシへの沖縄からの批判に真摯に向き合うために、実行委提案の文章(下に掲載)の討論や、各現場からの報告が行われました(経緯はWEB版に掲載)。
6月23日は、79年前の沖縄戦で、日本軍の組織的抵抗が終わったとされる日です。しかし、沖縄戦を指揮した牛島中将ら日本軍の指揮官は、戦闘を終わらせることなく最後まで戦うことを強制したため、この日以降も住民や兵士の犠牲が出ました。犠牲になった人を悼むとともに、軍隊は住民を守らないという沖縄戦の教訓を確認し、二度と戦争を繰り返してはならない、沖縄を再び戦場にしてはならないことを誓う日です。屋内集会ではなくスタンディングで街頭に立ち、「沖縄を再び戦場にするな」「辺野古新基地建設反対」を訴えかけました。
【沖縄を再び戦場にさせない実行委員会 6月19日】
現在、SNS上に私たちが呼びかける「6/23同時行動」のチラシデザインが「ポップ」で「慰霊の日」にそぐわないものである、しいてはこのようなデザインを掲げて呼びかける行動は思慮を欠いたものであり、沖縄に対する「加害」ではないのかという批判が上がっております。このことについて、私たちの見解を述べたいと思います。
私たちが6/23に行動するのは、現在、沖縄で軍事化が進められていることを大阪で暮らす人びとに知ってもらい、沖縄でそれにあらがう人々と連帯し、一人でも多くの人が「立って」共に戦争を止めること呼びかけるためです。6/23はお昼のニュースで「慰霊の日」が取り上げられ「全国戦没者追悼式」の様子が報道されます。この日の午後に、沖縄を「再び戦場にさせない」ことを訴えることは、非常に有意義で効果的である考え、行動することにいたしました。
私たちが取り組んでいることは、多くの人たち「ヤマトンチュ」の無関心を、どう揺り動かしていくのか、沖縄の今に関心を持ってもらえるか、という試行錯誤です。日本による沖縄の植民地化や沖縄戦に関して、あまり知らずに過ごして来られた方でも、「ちょっと参加してみようか」と間口を広げる必要もあります。チラシまきをしていると、たまに話かけて来る人があり、「文字だらけ」「言っていることが難しい」「内向き」など言われます。目をひいて、何かやっていると関心を持ってもらって、それを入り口にできないかと、この間、様々な試みをしてきました。その試行錯誤の結果が、実行委員会の総意で決まった今回のチラシのデザインです。
チラシがポップな明るいイメージで、軍事化がすすむ沖縄で、慰霊の日を迎える沖縄の人々の心情とずれがある、「犠牲になられた方への慰霊」にはそぐわないと感じられたことは真摯に受け止めます。こういった沖縄の方からの批判は、沖縄の人々の視点に立つことができていない、さらには現状をどうすることもできていない「ヤマトンチュ」への怒りであり、指摘であることを改めて気が付かされました。今回、「無邪気を装った加害」という言葉で指摘されたチラシは、「なんとか街頭で振り向いてもらおうという想いと、立ちはだかる無関心の壁を壊すために、最善の策を練ったものである」とご説明するしかないのではないかと考えます。従いまして、今回のチラシは、そのまま使用します。そのまま使用することが、沖縄の運動との連帯を損ねるものではないと考えています。
最後に、「ヤマトンチュ」の皆様へ。私たちは各参加団体、個人の創意や意思を尊重し、沖縄を戦場にしないためにともに行動する実行委員会です。6/23は街頭に立ってアピールすることが基本です。チラシにも独自スタンディング歓迎と明記してあります。手作りのバナーやチラシなど、納得のできるやり方で、合流していただければと思います。そして振り返り集会で、感想、意見交流が出来たらよいと思っております。
日本が沖縄に押し付けている軍事基地や、度重なる犠牲に広く関心を持ってもらうことを通して、戦争や差別のない世の中に近づけて行くこと。それこそが、私たちなりの責任を持った慰霊の仕方に繋がるのではないかと考えています。
