民主労総や進歩勢力は4月10日の韓国総選挙をどのように迎えようとしていたのでしょうか。
昨年9月、民主労総と韓国労総は「共に民主党」(以下、民主党)と政策協定を結び、民主党の候補者を応援することを決めていました。ただし、民主労総は同時期に行われた臨時代議員大会で二つの重要な決議をあげました。

民主労総の選挙方針

一つは、民主労総+進歩4党(正義党、進歩党、労働党、緑の党)が連合政党レベルから政策連帯レベルまでを含む多様な戦術で総選挙に共同して対応するという決議です。
もう一つは、「総資本保守両党体制打破」のための政策を全面化し、「保守両党」の支持を禁止する決議です。「保守両党」とは、国民の力と民主党のことです。民主党を保守政党と規定したのです。
私は個人的にこれは問題だと思います。民主労総は、民主党と政策をすりあわせて、共闘できる部分とできない部分を整理するのではなくて、理念的に「民主党を保守政党だ」としてしまったのです。これは労働組合のような大衆組織の決議としてはふさわしくない。こうした決議がなされるということは、民主労総内の党派グループの意見が強く影響していることの証拠でもあります。
後に進歩党が民主党と手を結んで連合政党に加わると、「進歩党は進歩4党から除外すべきだ」という提案が、その後の民主労総の臨時大会で後に出されるわけです。

進歩党と正義党の対立

民主労総の選挙方針にたいして、正義党は昨年の12月5日、緑の党、労働党、進歩党、直接民主地域党連合、地域政党ネットワークからなる第3勢力の結成を提案し、民主労総と選挙連合政党を構成しようと呼びかけました。それは「労働と緑、地域分権、差別撤廃」という価値に基づいた連合で、国民の力と民主党の「既得権両党政治」を克服しようというものでした。具体的には正義党をプラットフォームとする一つの政党名で選挙区と比例代表選挙を戦おうという提案でした。この提案を進歩党は、「これは最小連合だ。われわれは最大連合を目指す」といって拒否しました。
私は正義党の提案は検討する価値があったと思います。進歩4党の中で、この時点で議員を持っていたのは正義党だけでした。議員がいるかいないかで、政党は、テレビ討論会に出られるのかどうか、選挙補助金が配られるのかどうかでまったく待遇が違います。
正義党は議員が持っている利点を生かして、自党をプラットフォームとする選挙連合政党を他党に呼びかけました。検討に値するものでしたが、進歩党が拒否したため、「民主労総+進歩4党」という選挙連合は実現の見込みがなくなりました。    (つづく)