高作正博さん

7月21日に開かれた第14回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会(大阪市内)で、関西大学法学部教授の高作正博さんが「内心の監視・規制と戦時体制―不起立処分が招いた日本社会の現在」と題して講演した。

日本社会の現状と課題

高作さんは改憲をめぐる日本社会の現状の問題点を次のように指摘した。
まず自民党の改憲論がはらむ「暴力性」について。それは①個人を保護する憲法から、義務付ける憲法へと立憲主義を否定し、②国家・公益のために制限される人権として、基本的人権を否定し、③軍事力の選択肢の解禁により、平和主義を否定するものである。
次に日本社会における「異論」の否定について。具体的には①自衛隊情報保全隊による市民監視、②スラップ訴訟の現状、③マスメディアにたいする抑圧などによって、異論の言えない社会にされている。
さらに日本社会における「共生」の否定について。その傾向は①他国民・他民族にたいする排外主義・ヘイトスピーチの横行、②繰り返される「非国民」の罵声、思想・立場の異なるものの排除、③「引下げ民主主義」の広がり、公務員や生活保護受給者へのバッシングなどによって強まっている。
そして政治家は自分の政策に近い声を都合よく「民意」と称して利用しているのである。

多数派VS少数派

講演の最後に岸田政権は、安保三法案の閣議決定(22年12月)、「日米共同声明」(24年4月)で、①日米「指揮系統」の連携強化、②情報共有能力の深化、③同盟・連携の強化で軍事協力を拡大し、結論として米国と共に「戦争をする国」へと突き進んでいる。そのために思想調査・身辺調査の日常化、「国民の敵」を国内に作る。「権力者+多数派VS少数派」の構図をつくろうとしているとまとめた。
講演を聞き終えて、おかしいと思ったことには臆することなく異議を唱え、少数意見であってもあきらめずに抗っていかなければならないと思った。(佐野裕子)