
この動画は北海道(注)を中心に根強い人気があるコンビニチェーン「セイコーマート」の解説動画です。能登震災に対して、財務省などから「過疎地にお金を投入するのは無駄になる」というキャンペーンが流され続けていますが、「セイコーマート」は「本州の10年先を行く」といわれる過疎化と高齢化が進む北海道で、179市町村のうち175に店舗を持ち、人口カバー率は99%以上。離島の店舗へは毎日船で商品を運び込むなど、地域インフラとしての責任を担ってきました。
通常なら採算が取れない過疎地へも積極出店を行うなど、大手コンビニとは一線を画す地域密着路線を歩んでいます。なお、「日本版顧客満足度指数(JCSI)」(サービス産業生産性協議会)のコンビニエンスストア部門では、調査を開始した2011年から1年を除いて1位を獲得し続け、「セブンイレブンが勝てないコンビニ」として業界では有名です。マイナビと日本経済新聞が行った2025年卒業希望者への北海道本社企業の人気ランキングでは、「セイコーマート」は第10位、北海道電力(17位)、イオン北海道(16位)よりも人気があります。
直営化と「地域残し」
その特徴は、大手のセブンイレブンとは真逆の徹底した「直営化」と、「地域密着」です。現在ではその姿勢は「地域残し」と表現されています。通常はコンビニの場合、商圏の対象人口が3000人を切ると赤字になると言われています。しかし、動画で紹介されているように「セイコーマート」は人口900人の村に開業して黒字を達成しています。
新自由主義政策が進めてきた外注化と短期利益追及の限界が、社会問題として顕著になるなかで「直営で責任を取る」「地域を残す」セイコーマートの取り組みは、能登における「地域残し」のヒントになるのでは…。(小柳太郎)
URL https://www.youtube.com/watch?v=-vWEBWS0nsQ&t=604s
(注)「北海道」は日本政府北海道行政区を示す通称。先住アイヌ民族が明治政府の侵略を受ける前に使われていた「アイヌモシリ」(「人間の地」の意味)が歴史的には正しい名称。
