死傷事故が起きた安和桟橋

6月28日午前10時過ぎ、名護市安和桟橋の出口付近で、辺野古新基地建設の埋立用土砂を搬送するダンプトラックが作業ヤードを出て左折した際、抗議中の市民と警備員さんを巻き込んだ死傷事故が発生した。この死傷事故がなぜ起きたのか。7月20日、大阪市内で行われた集会で、沖縄平和連絡会・北上田毅さんは次のように語った。

危険なダンプの運行

沖縄では警察、国、行政が一体となって、抗議中に重傷を負った女性に非があるかのようなキャンペーンが張られ、「抗議活動中の女性が飛びだし、警備員がそれを止めようとしてダンプに巻きこまれ亡くなった」と報道されているが、それは事実ではない。
ダンプの前をゆっくりと歩いて横断する抗議行動は6年近く続けられているが、これまで事故は一件もなかった。それは警備会社、業者、抗議する市民の間でダンプの出し方について暗黙のルールがあったからだ。ところが今年2月、元請け業者が大林組に、警備会社がアルソックに変わると、それまでの暗黙のルールなどなかったかのような強引なダンプの出し方になり、事故につながった。
オール沖縄会議は記者会見を行い、「事故の原因は防衛局にある。事故原因と安全対策について知事に説明せよ。反対運動によって警備員が亡くなったというとんでもない誹謗中傷が広まっているが、あくまでも辺野古の反対運動は県民の民意に基づく行動であり、憲法21条により保障された表現の自由の行使である。今回、負傷した市民を含め、現場で抗議運動に参加している市民に非難されるべき事情は全くない。今後も抗議行動を続ける」という声明を出した。
これから大浦湾の工事が始まる。大浦湾は一番深いところで水深45mもある。とんでもない量の土砂が必要で、安和桟橋からの土砂大量搬送が中心になる。そこで私たちが抗議行動をできるかどうか、牛歩行動で少しでも搬送を遅らせることができるかどうかが大きなポイントになる。(池内潤子)