
東京電力は8月22日、福島第一原発2号機の燃料デブリの試験的な取り出しを試みたが、人為的なミスの影響で作業が延期され、今も再開の見通しは、立っていない。
22日の作業は、装置に取り付けるパイプの順番に間違いがあることがわかり、作業が延期になった。
作業は当時、60人体制(直接作業する班は6×8=48人)で行われていたが、すべて協力企業の作業員で、東電の社員は1人もいなかった。東電は燃料デブリの取り出しを「廃炉の最重要課題」と言いながら、その作業を「協力企業」に丸投げしていたのだ。
福島県の内堀雅雄知事は、「原因の究明と再発防止の徹底」を求めているが、専門家は「そもそもデブリの取り出しは不可能」と指摘している。
小出裕章・元京大原子炉実験所助教は、「東電は燃料デブリを上部からつかみ出せると思っていたが、現状を確認するとそれができないことが判明した。デブリの取り出しは100年たっても不可能」と断言している。
実際ロボットアームを使っても一回で取り出せるのは耳かき一杯程度。デブリは全部で推計880トンもある。「廃炉作業」そのものの全面的な見直しが急務だ。
