
沖縄県名護市の大浦湾側で埋立工事が始まった辺野古新基地建設に反対する集会が8月18日、大阪市内で開かれた。集会では「辺野古工事の現状」を宮崎史朗さん(全港湾建設支部)、「海上行動と海から見た工事」を小野純一さん(辺野古ぶるーHYОGО)、「ジュゴン、サンゴはどうなったのか」を松島洋介さん(ジュゴン保護キャンペーンセンター)が報告した。
2014年7月7日から始まった辺野古、キャンプシュワブ・ゲート前の座り込みは、今年7月6日で3656日となった。ダンプによる土砂搬入路が変更された。米軍が「軍用車両の使用に支障を来す」とゲート内での交通事情を問題視したためと言われている。ダンプは9時、12時、15時の3回、通常200台から250台が入る。
また美謝(みじゃ)川の切替え、送電線の地中化、辺野古側のかさ上げ、辺野古弾薬庫の整備のため暗渠(あんきょ)の工事も行われている。
工事は着々ではない
宮崎史朗さん
大浦湾では、海上ヤードの建設、A護岸築造にむけ試験坑の打設、N1、N2護岸着工にむけた準備(8月20日に強行)などが始まっている。工事は着々とはいかず、遅々として進んでいない。できるところをやっているという状況だ。近い将来、再度の設計変更申請が行われるが、それを許してはならない。再来年の知事選の行方も重要だ。
安和桟橋で痛ましい死傷事故があった。負傷した女性は牛歩行動をしていたのではなく、ダンプの台数や積荷などを監視し、チェックしていた。ところが警備会社アルソックは、「飛び出しによる不可避な事故であり、警備は適切だったと認識している。具体的な事実関係は捜査中であり回答を差し控える」とし、防衛局は「沖縄県に安全対策、ガードレールをつくるよう」申し入れている。
オール沖縄会議は「飛び出しではない」と事故概要を説明し、「当然の抗議行動で、警備員の指示に従って事故に巻き込まれた」ものであり、今後も「整然と抗議行動を続ける」と表明した。
8月22日、防衛局は20日の大浦湾代執行工事に合わせて安和桟橋でダンプによるガット船への積込みをおこなった。反対する市民40数人を機動隊によって強制排除した。
ジュゴンの海が
松島洋介さん
8万4000体のサンゴが、大浦湾には群体として存在している。防衛局による「移植」はハンマーでサンゴを砕き、工事用の有害なセメントで貼り付けるというもの。多くのサンゴが白化し、死んでいっている。
ジュゴンは個体A、B、Cが確認されているが、Aは国頭郡今帰仁村(なきじんそん)の沖で死骸が発見された。環境等監視委員会がつくられたが、見識のない人たちが行っている。沖縄本島の北西部でジュゴンの食(は)み跡(餌を食べた跡)、フンが発見されている。沖縄県は「大浦湾を含め、県内の広い範囲にジュゴンが生息していると考えられる」として、自然破壊を防ぐために防衛局に事前協議を強く要請している。
集会ではこのほか、キャンプシュワブ・ゲート前や海上カヌーによる抗議行動のようすなどが紹介された。座り込み開始から10年、「金属疲労」もある。「みなさんが自分事として沖縄に、現地に駆けつけてほしい」と訴えがあった。
大阪や神戸の辺野古行動など、各地で取り組みが続く。(高崎)
