
「老朽原発動かすな! 高浜全国集会」が9月23日、高浜町文化会館で行われ360人が参加した(写真上)。集会に先立って音海(おとみ)展望台に集合して高浜原発までデモ行進をおこない、高浜原発に抗議の申入れを行った。
集会は、珠洲市民で志賀原発廃炉訴訟の原告団長・北野進さんと、元裁判官の樋口英明さんの講演と、全国で原発廃炉を闘う人びとのビデオメッセージや直接参加による発言があった。
北野さんは、珠洲現地の写真を見せながら、能登半島地震での海岸線の隆起は、珠洲原発の予定地だったところでは最大5・2メートルあったことを示した。北野さんらの闘いで、珠洲原発の建設は阻止された。それによって日本は救われたのである。
続いて発言した樋口さんは、「本当は珠洲原発を造ろうとしていた3つの電力会社(関電、中部電力、北陸電力)が一番ほっとしたのではないか。もし珠洲原発ができていれば被災は不可避でその賠償額は福島原発事故をはるかに上回る。3つの電力会社は破産していただろう」と話し、「人びとの意識が一番の問題だ」と続けた。
「多くの人は国や裁判所に対して、いくら何でも常識くらいは持っているだろう。原発は高度な科学技術で、難しいものだろうと思っている。しかし原発は実に簡単で単純なものだ。その本質は2つだけだ。一つは、人が管理し続けないと暴走するということ。その安全3原則は『止める、冷やす、閉じ込める』だ。もう一つは、暴走したときの被害は想像を絶するほど大きいこと。こうした簡単なことを分かりやすく説明することが重要だ。老朽原発などとんでもない。事故のコストは国を破産させる。自爆原爆をいくつも抱えているような政策は、国防の名に値しない。日本を破滅させるだけでなく人類を破滅させるものだ」。
「2021年3月18日の水戸地裁判決と、22年7月13日の東京地裁判決は、『原発の事故はわが国の破滅につながりかねない』と、私の福井地裁判決と同じことを述べている。数は少ないが、このように物事を分かっている裁判官はいる。わが国を破滅させないためには、原発を止めなければならない。私は今後もそのために頑張る」と締めくくった。
集会後の高浜町内のデモ行進には、多くの町民が沿道に出て注目。地元で続けてきた活動の成果を実感した。(塚本)
