再審公判で袴田巌さん(88)に言い渡された無罪判決がついに確定した。検察が10月9日、控訴の権利を放棄する手続を取ったことによって、袴田さんは逮捕から58年を経て、「死刑囚」の立場から解放された。前日の8日、畝本(うねもと)直美・検事総長は、証拠のねつ造があったと断定した判決に「到底承服できない」という談話を発表。これについて弁護団は「巌さんを犯人視するものでとんでもない」と最高検に抗議し、談話の撤回を求めた。警察・検察による冤罪の温床となっている「代用監獄」制度=警察の留置場での長期拘禁の廃止は急務である。