昨年末、地域の防犯見回りに参加したときのこと。空き時間でみんなでビールを飲んでいると、いろんな市議会議員があいさつに来る。自民党の世襲議員のあいさつがふるっていた。
「みなさん、見回りご苦労様です。次の衆院選に立候補する○○です。ガッツリ予算をとってきますので、どうかよろしく」。酔っ払いから「がんばれー」の声がかかる。彼が去ると「若いけど、やっぱり裏金議員になるんかな」「ええやん、しっかりカネとってくれば。多少は大目にみたれや」とさっそく酒の肴にされていた。
現行選挙は、政策ではなく地域の利益代表が選出される。それは小選挙区制になっても変わらない。「政治にカネがかかる」と言われるが、遠くに住んでいる議員たちが狭い人間関係に割り込んで、無理やり「地域の一員」になろうとするとそうなる。冠婚葬祭、老人会、新年会に秋祭りに金一封を包んで回る。国政選挙は最低3億円と言われた時代のような買収や饗応は影を潜めた。「裏金」の規模がみみっちいという声も聞く。しかし利益誘導選挙の本質は今も変わらない。
これを根絶するには、上脇博之氏が言うように全国一括で完全比例代表制にする以外ないと思う。少なくとも国政選挙は政党単位の比例代表選挙一本にすべきだ。それなら、得票率20%程度の自民党が政党交付金のまるまる半分160億円を受領するという、詐欺としか思えないデタラメも解消する(もっとも企業献金が禁止されていないのに政党交付金を二重取りすること自体間違っているわけだが)。
今度の衆院選でも「徹底した政治改革」という言葉は踊ったが、せいぜい「中選挙区の復活」まで。政治制度改革の核心は、完全比例代表制の導入だと思う。(徹)