徳田弁護士 講演会

「菊池事件の再審を求める講演会」が開かれ、60余人が参加した(24年12月1日、神戸市教育会館)。講師は、徳田靖之弁護士。80人の会場だったから、ほっとしています。
「菊池事件の事を聞きたいという人が3人以上集まれば、どこにでも行きますよ」という徳田弁護士の言葉に、「やったろか」と思ったのが、7月。それから日程を調整し、会場を押さえました。チラシを何枚刷るかも悩みましたが3千枚を作り、死刑制度に反対している団体や狭山市民の会・こうべほかに配布をお願いし、新聞『うずみ火』にも折り込んでもらいました。日頃お付き合いのない方々も多く見受けられました。
徳田弁護士は、穏やかに丁寧に事件の経過(ダイナマイト事件、A氏殺害事件)、背景(無らい県運動、ハンセン病差別)、事件の冤罪性(凶器、親類の証言)、裁判の問題点(特別法廷、弁護人のやる気のなさ)、死刑執行の非道(3度目の再審棄却の翌日に執行。教誨師の立ち合いなし)、現在の再審運動(再審請求人団、憲法違反)などについて詳しく述べました。
現在、熊本地裁で裁判所・検察・弁護団による3者協議が行われています。弁護団は「特別法廷という憲法違反の裁判だった。速やかに検察が再審を行うべきと主張しているが、検察は再審を行う事由がないと突っぱねている」「裁判所も、死刑になっている裁判の再審を認めると、死刑制度の根幹を揺るがす。慎重な態度になっている」としています(11月23日付『未来への協働』)。
徳田弁護士は講演の後、所用のため大分へ。会場の質疑応答は、弁護団の大槻倫子・
弁護士と再審請求人団共同代表の黄光男さんが答えてくれました。
80歳を超える徳田弁護士は、文字通り命をかけ菊池事件の再審実現のためたたかっています。「全国どこへでも講演に行く」とも。私たちの、ささやかな講演会が契機になり、各地で勉強会が開かれ運動が広がり、再審が実現し、なりよりも冤罪で死刑に処せられたFさんと、ご遺族の名誉が回復されることを望みます。
今回は、「市民デモHYOGO」「辺野古の海に基地をつくらせない神戸行動」の皆さんに、大変お世話になりました。講演会を手伝ってもらった仲間に、感謝します。お礼申し上げます。(秀)