
1月14日火曜日正午より、いつもの府庁前でなく大阪城教育塔前で、600回目の集会と府庁周辺のパレードを行いました。集会には、朝鮮学校学生、保護者、同胞、支援する労働組合や市民など350名以上が参加しました。
集会に先立ち、司会の「無償化連絡会・大阪」の共同代表・長崎さんから、子ども基本法大綱を勘案した大阪府・大阪市の「子ども計画」の策定に関するパブリックコメントと、山口県長生炭鉱の遺骨収集に関するクラウドディングが呼びかけられました。
また、集会の冒頭、長崎さんは、「600回は決して喜ぶべき数字ではないが、『絶対にあきらめない。子どもたちの権利を守り抜くためにたたかい続けていく』という私たちの思いと、支援する人びとのつながりを示すものだ」と話されました。
集会での発言を紹介します。
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私たちの子どもにも未来を想い描く権利がある——東大阪初級学校のオモニ
大阪府は、すべての子どもが将来にわたって幸せな生活を送ることができる社会の実現を目指す「子ども計画」の制定を進めていますが、私たちの子どもにも、輝かしい未来を思い描き幸せに生きる権利があります。ウリハッキョは子どもたちにとってアイデンティティ、自分が自分であることを認め受け入れていくことを自然に学ぶ大切な場所です。仕事を調整しながら「火曜日行動」に参加するオモニたちは、子どもたちが幸せな未来を描いて生きていくために声を上げ続けます。
歴史的構造的差別だと勧告されている——丹羽雅雄弁護団長
無償化裁判で唯一勝利した大阪地裁判決を忘れてはならない。判決文には、朝鮮学校の意義、それを支える朝鮮総連の役割を明確に書いてある。国際人権委員会などでも、朝鮮学校の子どもたちにたいする歴史的構造的差別であることを一貫して勧告されている。国際的な脱植民地主義の潮流の中で、適合した判決であることを決して忘れてはならない。
遺骨収集に国の予算を——大椿ゆうこ参議院議員(社会民主党副党首)
朝鮮半島出身者が多く亡くなった長生炭鉱(山口県宇部市)の遺骨収集のため、国の予算を使うべきだと、国会で追及している。みんなの怒りをしっかり受け止め、国籍にかかわりなく誰もが学べる、民族教育を学ぶ権利を、国会の中で引き続き訴えて皆さんの力になりたい。

自分の人格を否定されたようで悔しい——朝鮮中高級学校の先生
はじめてこの問題に出会ったのは中学校2年の時。先輩が「自分の人格を否定されたようで悔しい」と泣いているのを見て、自分もすべての同級生が否定されたようで悔しかった。そういう気持ちに後輩をさせてはいけないと抗議行動に参加してきました。小学生たちが「自分たちは悪い子なんですか」と泣いているという話を聞きます。それがすごく悔しくて、差別は今も残っていると胸が痛かった。早く社会を変えないといけない。一緒に行動していける志を持った子どもたちとともに、教育を通して励んでいきたい。差別のない社会を目指してともに最後までたたかっていきましょう。
日本社会の一員の責任として——「無償化連絡会・大阪」・大村和子さん
「きらきら光る無償化の文字 私たちの心を躍らせた。
きらきら光る無償化の文字 私たちの心を凍らせた」
2010年、朝鮮高校だけが無償化から除外されたときの高校3年生の詩です。子どもたちを裏切り、心を傷つけ、民族差別排外主義を平然と行う日本の為政者たち。それを許している日本社会の一員の責任として、社会を変え成熟した共生社会を築かなければならない。そのための積み重ねが600回を迎えた。600回はたくさんの人のつながりだ。これからも声を上げ続け、たくさんの人と連帯の輪を広げていこう。勝利の日まで。
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集会の終わりに、「声よ集まれ 歌となれ」を全員で合唱して、府庁周辺パレードに出ました。パレードでは、「差別を絶対許さない。無償化を適用せよ。補助金支給を復活せよ」と力強く声を上げました。(了)
